Technical Log of IEIE Experiment on Knavelskär Island
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日付:
1974年8月9日
1977年12月13日(再編集)
内容説明:
「Technical Log of Island Eye Island Ear Experiment on Knavelskär Island, Sweden, July 1974」 (Edeted Ver. in August 9, 1974 and in December 13, 1977)」
全9ページ(+地図1ページ)。
1974年7月2日〜13日にかけてクナーベルシェア島で実施された実験の技術ログ。
資料保管場所:
資料制作者:
翻訳:
アイランド・アイ・アイランド・イヤー実験の技術ログ
1974年7月、スウェーデン、クナーヴェルシェア島にて
火曜日
7/2/74
すべての必要機材のリストを作成した。
シグナル・ジェネレーター
トーンバースト・ジェネレーター
ドライバ2台
オシロスコープ
アンプ2台
ケーブル(スピーカーとマイク)
パラボリック・アンテナ
一人の人
ハンダ付け装置
コンパス
測量機材
ヤギ
ハシゴ
ロープ
ケロシンランプ
木材
ハンマーと釘
小型ラウド・スピーカー
航空写真
発泡スチロールの浮きドック
電池
テープ
水曜日
7/3/74
スウェーデン王立工科大学の応用電子工学科でGösta Wibomに会い、霧システムについて議論した。
Per Walandと会い、アンプ、オシレーター、バーストシステムジェネレータについて議論した。
ビリー・クルーヴァーはStatens Lantbrukskemiska Laboratorium(75007 Uppsala 7)の水質分析を専門とする農学者Rut Oswaldにコンタクトを取り、霧を塩水で作ることによる植物へのダメージについて意見を求めた。生育へのダメージはほとんどないだろうが、植物が発芽する時期には害を及ぼす可能性があるとのことだった。
彼女は、水の濃度を0.6(ストックホルムでは0.2)と見積もった。(水のサンプルを7月22日に送付した)。
また、植物にとって最も有害なのは塩素であると言った。
水中音の録音について、MAのLars Göterströmに電話した。次のようなアドバイスをもらった。
音速が1/rになる逆転層は50-60m程度。
音速よりも上と下の深度は、1/r2。
音を拾うには、マイクが水面からかなり下にある必要がある。
水面下20〜30cmにマイクを設置すべきである。
底に重り、水面下にブイを置き、その間にマイクを挟み込むように固定する。
不要なノイズを減らすために、彼はマイクに石鹸をつける。
マイクは通常100サイクルで切れるが、彼が得た範囲は10〜10, 000サイクルである。
マイクの感度は1オクターブあたり6db低下する。
海岸線では、ケーブルが水面から出るという難点がある。この場合、ケーブルにセメントを塗って修理する。長時間の録音では、マイクを人がいじってしまうことがあるので、「爆発注意」の看板を使ってそのような不届き者を追い払ったこともあるそうだ。
Göterströmは、2本のマイクを1〜2mの距離で固定し、ステレオサウンドを拾うことに興味があるという。
一般に拾われる音は交通騒音である。静かな環境では、魚やエビの尾をはたく音が聞こえる(ホールバックは、魚やエビの声は聞こえないと反論した)。
7月18日(金)、アケ・ホールバックは水中録音について次のような補足をした:
彼は、水深2-50mでは音のピックアップにほとんど差がなく、反転層は群島内で はほとんど意味がないと感じている(クジラはいない)。
船からの音を減らすために指向性マイクロホンの使用を提案した。音波が水面 に当たった場合、1%から0.1%の音波が水面に屈折する。
ブイを水に浮かべ、スプリングと右上がりのバケツに結び、その下にマイクを
吊るすのが成功の秘訣だと提案した(図参照)。
木曜日
7/4/74
Björn Patersonに会い、霧について話し合った(彼とBjörn Springfeldtは「ペンシル」モデルを作成したことがある)。
3mの長さの鉄製パイプを使い、ノズルを30cmの間隔でパイプにねじ込む方式に決定。各セクションは高圧のゴムホースで繋ぐことにした。ゴムホースは3000psiに耐える特殊なカップリングでパイプに接続。最終的なシステム (ソーセージやシロップの包装に使われる)空気圧スクリューポンプで駆動され、ボトルからの圧縮空気で駆動される。
日曜日
7/7/74
クナーヴェルシェア島到着。
使用可能なアンテナを測定した(cm):
大アンテナ: 直径186、奥行き30、焦点64
中型アンテナ: 120、 20、 45
中華鍋: 71、 19、 16
この晩、以下のテストについて話し合われた:
1. 2つのアンテナ間の水平方向スロー
2. 2つのアンテナの間の対角線スロー
3. 水面上での水平スロー
4. 岩の上の跳ね返す
5. 渓谷の下で跳ね返す
第一:家の前に大きなアンテナを水平に設置
第二:ビームの分散を録音
第三: 中華鍋をテスト
月曜日
7/8/74
ドックにアンテナを設置
デーヴィッド・チュードアは、ドックからハイドロフォンをテストした。ソースフォロワとフィルタを使ったときに最高の結果が得られたが、波と風のノイズがまだ問題である。
午後2時、ドックの上の丘で風向きを測定。 安定した突風4が西/北西5に吹いている。
火曜日
7/9/74
アンテナ・マウントの製作を続ける。ビリー・クルーヴァーは中華鍋のドライバーホルダーを作る。
デーヴィッド・チュードアは三脚アンテナを屋外に設置し、開いた窓から音を拾う実験をした。音源のひとつは東側に停泊しているボートだった。
大型アンテナを設置した。
水曜日
7/10/74
発泡ゴム、木材、そして木に縛り付けたロープを使って、1.8mのアンテナを55m間隔で立てた。中央はホイルで覆ったブリキ缶の蓋で塞いだ。これでは、高い周波数の音レベルは上がらず、低い音も拾えなかった。
中華鍋をバッフルとして使用し、周波数特性の聴感実験を再度行った。入力電力は7-1.5ワット。
中華鍋をバッフルとして使用した場合、低音域が強調されるため、ドライバーの後ろにバッフルが必要である。低周波の焦点を合わせる必要がある。
ホーンはバッフルの役割を果たすが、可動式ペーパーコーンのスピーカーは、防水でないかぎり使えない。
デーヴィッド・チュードア、ジュリー・マーティン、マーガレッタ・アスバーグはNorth Hillに行って、大まかな地図を作り、いくつかの崖の海面からの高さを測った。
Top Hillは海抜18m
Deep Steepは海抜15m。
土曜日
7/13/74
実験:家のベランダに設置したアンテナを使って岩石に音を反射させる。
デーヴィッド・チュードアは、いくつかの周波数でより大きく、共振するポイントを探した。テストは、周波数スイープを含むサインウェーブとスクエアウェーブ、そして音楽(変調された鳥の鳴き声)で行われた。
音源が遮蔽されている場合、つまり音が向けられる岩の後ろにある場合、リフレクションがよく聞こえることがわかった。音を反射する岩の高低差の影響は非常に顕著であり、多くの副作用(side effects)を生み出す。
いまの図では、歩いていると何カ所かで音が聞こえることが示されている。だから歩いていると音を再発見できる。また、アンテナが家で遮蔽され、家の裏の岩からビームを反射させるとよく聞こえる。
たくさんの音源があるとスポイルが生じるので、いいポイントに来たときに、どれかひとつの音がせり出してくる。
家の北側を散歩し、マーガレッタ・アズバーグは詳細な地図を作成、ビリー・クルー ヴァーはデーヴィッド・チュードアがアンテナを設置したい場所を撮影、ジュリー・ マーティンはメモを取り、マーガレッタ・アズバーグはそのメモを地図に記録した。3 ~4時間で19テイク、12ヶ所の使えるスポットを探索した。
デーヴィッド・チュードアは、島の北端が音に覆われていることを確信し、中央部を再確認し、両方の部分が覆われているかどうかを確認する必要があると言う。
ドックでの風は6-8、気温は摂氏24度。
日曜日
7/14/74
小雨。南東からの強風が13まで吹き荒れ、10-12あたりで安定する。午後から強い雨。
家の南を歩き、ビリー・クルーヴァは撮影し、マーガレッタ・アズバーグはマッピングを行なった。
昼頃、風が強くなり、南のアンテナは南東の突風が13になると吹き飛ばされた。
Soft Forest(柔らかな森)でマーガレッタ・アズバーグの鏡を試す。彼女は、水平にし た鏡を頭上に一枚置き、数枚を木にぶら下げた。それぞれが小さな鏡を持つ5-7人のパ フォーマーを数カ所で使いたいと言う。
デーヴィッド・チュードア:「混ざり合った音があらゆるところに低いレベルでずっと鳴っているだろう。リフレクションのビームの通り道に入ると、特定の音がとても強く聞こえ、場所によっては交差することもあるだろう。」
デーヴィッド・チュードアが望む音を録音するためには、2週間の好天が必要。風は4以 下でないと録音に浸透してしまう。フィルターについては、ナチュラリストの助言が 必要。
イベントそのものを4チャンネルで録音するには、ステレオのペアが最適だろう。
月曜日
7/15/74
マーガレッタ・アズバーグと中谷芙二子は、霧のスポットに行き、ビームの配置を明 確にした。
大型アンテナとほぼ同じビーム経路に中華鍋を設置し、テストを行なった。
結果は、特にテスト信号がスクエアウェーブや移り変わる周波数(音楽)の場合、第2 、第3高調波が強くなるというものであった。より高い周波数にフォーカスする。
ビームとアンテナ・スローのスポットをいくつかチェックした。
火曜日
7/16/74
Atlas Copcoに行き、空気圧ポンプを使った霧システムのテストを行なった。テストは 成功した。テスト・モデルは、3メートルのパイプ6本に30センチ間隔で9個のノズルを 取り付けたもので、合計54個のノズルを使用した。
発生した霧の量は約100平方メートル(風速4~5m/秒)、システムの容量は毎分3ガロ ン。最適な条件(圧力500 psi、風速2m/秒以下、相対湿度80%以上、ノズル密度1平方 フィートあたり1個)では、300平方メートル以上の霧を発生させることができるはず。
中華鍋の位置を変えて、再度テストを実施。
西側の中華鍋を使い、ドックへの通路にある隙間で実験した。デーヴィッド・チュードアはこの音を気に入ったが、残響がないことがわかった。音は非常にマスキングされたので、とてもいい感じだった。サウンド・スローに使えそう。
ブランティングス島まで音を到達させることを試みたが、風が強いためか聞き取れない。
ブランティングス島の音を拾おうとしたが、波と風しか聞こえない。この間、デーヴィッド・チュードアは中華鍋を受信機にして発生する波形を観察した。彼は、連続的な音は、高調波スペクトル、振幅、位相が変化することを観察した。位相の変化は興味深く、風によるビーム経路の変調によって変化する。
デーヴィッド・チュードアはふたつの音を一緒に鳴らした。ひとつの音はふたつの中華鍋の間で、もうひとつの音はポーチのアンテナから岩に当ててみた。ふたつの音はあまり混ざらないことは、とても良かった。音は局所的には互いにはっきりと区別でき、時折、別の場所でリフレクションが起こる。アンテナの正確な高さは、ビームとスローの垂直方向の向きを決めるのに非常に重要である。
水曜日
7/17/74
中谷芙二子は霧のスポットを散歩した。Moss Plateau(苔の高地)の西、家の北にある Fog Grove(霧の林)、Moss Plateau(苔の高地)の東にあるFog River(霧の川)、 Top Hill(最高丘)の下のCloud Lake(雲の湖)、そしてSoft Forest(柔らかな森)エ リアにあるFog Forest(霧の森)。Fog Grove(霧の林)とFog Forest(霧の森)では等高線スケッチを作成し、風の状態を測定した。また、島の花々を撮影したカラー写真も50枚以上撮影した。
彼女はボートから海岸線をずっと撮影したビデオも作成した。
木曜日
7/18/74
家の北側から島の先端までまっすぐ歩く様子をリアルタイムでビデオに収め、その後、西側のスポットを撮影した。
風は北から吹き、Top Hillで3-5m/秒(2分間の計測)。
Fog River(霧の川)、Cloud Lake(雲の湖)、Fog Geyser(霧の間欠泉)を複数回、測定した。
金曜日
7/19/74
4つの圧縮空気ボトルを使って、3箇所で霧をテストした:Fog River(霧の川)、森の 中の平らな場所でのFog Cloud(霧の雲)、そしてFour Birches Beach(4本のカバノ キ・ビーチ)の北にある岩の上。非常に満足のいく結果が得られた。
マーガレッタ・アズバーグは使いたい場所をいくつか測った。
土曜日
7/20/74
島の4色地図を作成した。
日曜日
7/21/74
霧システムの寸法を決定し、概算のコスト計算を行なった。必要なノズルの数:
150 Fog Valley(霧の谷)
100 Fog Geyser(霧の間欠泉)
60 Cloud Lake(雲の湖)
60 Mist Fall(霧の滝)
60 Fog Grove(霧の林)
60 Fog River(霧の川)
100 Fog Forest(霧の森) 150 Fog Cove(霧の入江)
60 Fog Hollow(霧の小渓谷)
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合計800ノズル
800個のノズルを30cm間隔で配置すると、240mのパイプが必要になる。総給水量は毎 分約40ガロン(60個のノズルで毎分3ガロンの霧化)。仮に10時間稼働させた場合、1日 あたり24,000ガロン(90,000リットル)必要になる。これは、島全体では1mm程度、霧 がかかっているところではおそらく10mm程度、1時間あたり1mm程度の雨量に相当す る。普段見聞きできる雨量は1時間あたり3~15mmである。
6-7月の天候は、平均気温16.5度、最高気温20度、最低気温10度。湿度は7時で80%、13時 で70%、19時で75%。最低湿度は50%。平均風速は4-5m/秒。0m/秒が5%、6m/秒が40% 、9m/秒が10%。北風と南風が同じ確率で吹く。非常に不安定な天候。6月1日~7月20日 の平均降水量は85mm。このうち、通常22日は少なくとも0.1mm、14日は少なくとも1. 0mm、7日は少なくとも5.0mm。
気象観測所は、ストックホルム - ブロンマ、ランズオート、スヴェンカ・ホガルマ、そ してスタッボ・ウトーに設置されている。
デーヴィッド・チュードアがアンテナ・システムの詳細を決めた:
14本のスロー、8本のビーム(10箇所のケーブルエリアで、30本のアンテナが必 要)。
1mアンテナが3本、2mアンテナが13本、そして3mアンテナが12本必要。
(翻訳:中井悠)